2017年度運動方針

統一テーマ

「手話言語法」の一日も早い実現に向けて首都として全力をあげて取り組み、東京都の手話言語条例の在り方を思索し、区市町村の手話言語条例制定を進めるとともに、障害者差別解法や都条例策定、新しい施策を活用した取り組みなどで、聴覚障害者の社会参加を進めていこう。

1.「手話言語法」と「手話言語条例」制定をめざして全力で取り組み、都の差別解消条例制定で情報コミュニケーション法の理念を実現しよう。手話言語法(仮称)の年内制定を実現し、手話が権利として認められる社会の構築をめざそう。

「手話言語法(仮称)」制定のために全国都道府県区市町村全ての議会から国へ意見書を提出するという古今未曾有の運動は、当初不可能かと思われましたが、昨年3月3日についに100%を達成しました。また、「手話を広める知事の会」や「全国手話言語市区長会」などの設立により、手話言語法設立に向けての盛り上がりは高まってきています。この機を逃さず、一日も早い手話言語法の制定に向けて首都として出来ることは全て取り組んでいきましょう。
手話言語法制定と合わせて都と区市町村の「手話言語条例」制定も進めねばなりません。関東ではすでに半数の4県が条例を制定しています。
東京は首都としてふさわしい手話言語条例の在り方を思索していく必要があり、時間をかけて、しかし着実に進めていきます。
また、東京の障害者差別を解消するための条例制定に向けての話し合いも進められていますので、手話言語条例との関連や情報コミュニケーション法の内容を盛り込むなどの話し合いを進めていきます。
区市の手話言語条例制定も積極的に進めていきましょう。その取り組みは手話言語法や都の条例制定に結びつくだけでなく、都や地域の意思疎通支援事業の充実や格差是正につながるのです。
ICT遠隔通訳などの新しい取り組みの始まっており、時代に即した取り組みが求められています。交渉のためにも、さまざまな情報を的確に得るなどの努力が必要です。

2.公益法人としての支援事業充実を図るとともに、法人体制や施設をより合理的に整備し、総合的な聴覚障害者支援体制構築に結びつけよう。

「公益社団法人東京聴覚障害者総合支援機構」の公益目的事業は自立支援センター事業だけでなく、当連盟が担当する事業の大部分も公益目的事業として位置づけられています。公益法人の社員のほとんどは当連盟の傘下団体(区市聴覚障害者協会)であり、公益法人の土台を当連盟が担っています。
当連盟と自立センターの運営面での完全統合も進めていますが、就労支援事業などの充実や、自立センター事業の一部を連盟事業とするなどの話し合いも進めていますので、公益法人体制の合理化を進め、事業の充実を図る中で、総合的な聴覚障害者支援体制を関係施設や団体と協議しながら構築していきます。
自立支援センターの労働・就労支援事業を、都の福祉施策と連携させてより充実していく必要があり、そのための受け皿である公益社団法人や施設としての自立支援センターの体制整備、そしてそれらの土台である当連盟の活動の充実が今、求められています。

3.オリパラに向けて全都民への啓発と手話の普及を推進し、都との協定をもとに災害時のいのちを守る活動を実施しよう。

2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて、東京都が手話の普及、手話通訳養成のために多額の予算を組んでいます。その予算を有効に活かしていかねばなりません。手話カレッジを改称した「みみカレッジ」を今年も実施する予定ですので、より充実した内容で開催するとともに、7月にトルコでデフリンピックが開催されますので、聴覚障害者スポーツの啓発を進めるなど、全都民に対しての聴覚障害者への理解のための啓発活動や手話の普及活動、動画やネットワークなどのコンテンツを活用して東京都と一緒になって展開していきます。
東京では2014年2月12日に改正した協定で都と当連盟(公益法人)が再締結し、同協定を基にした「手話ボランティア支援マニュアル」の見直しも終わり、区市登録手話通訳者の事前登録者も100名を越えました。
新しい防災計画で地域(区市)における支援体制がより重要になりましたので、地域において自治体と話し合い、聴覚障害者への具体的な支援体制を構築するとともに、一人ひとりが自分の命を守れるように、防災のための効果的な備えを広く周知していかねばなりません。
都が普及を進めている「ヘルプマーク」を地域で活用する取り組みも必要になりますし、災害バンダナや災害支援ベスト、新たに寄贈を受けた「アンブルボード」などのグッズを有効活用できるように、地域において災害対策担当を決めたり、手話サークルなどとともに災害対策委員会を設置するなどして話し合いを重ね、避難訓練を実施するなど具体的な支援体制の構築を進めていく必要があります。

4.高齢聴覚障害者が安心して暮らせる施策を検討し、教育関係者との連携を深めるとともにろう重複児施設を継続する運動を進めていこう。

高齢化が進んだ現在、会員の3分の1以上が高齢者です。長い間当連盟を支えてくださった高齢会員に敬意をはらうと共に、体力的な理由等で運動に参加できなくなり当連盟を離れていった高齢聴覚障害者への支援と施策構築こそが必要とされています。
昨年、高齢聴覚障害者の現状とニーズを把握するため、調査と研究を助成金を受けて実施しました。この調査を基に、地域での施設作りなどの具体的な施策に結びつけられるような取り組みを行っていきましょう。
私たち運動体とろう学校との関係は、公益法人理事を運営協議会委員に送りだしたり、式典に招待しあうなど深まってきています。ろう学校や教育関係団体との関係をさらに良くしていき、充実したろう教育が実施できるよう取り組んでいきます。
立川ろう学校での知的学校併設やろう重複障害児への支援も切迫した問題です。これらの問題について都の特別支援教育の第二期が策定されたことを機会に東京都教育委員会と話し合うなどの取り組みを進めていきます。昨年署名に協力いただいたろう児入所施設継続(設立)の取り組みは、非常に厳しい状況にありますが、貴重なろう児施設が何らかの形で継続できるよう、運動体として全力をあげて支援していかねばなりません。

5.ブロック制で地域組織との連携を強化して支援者を増やすとともに、事務局体制を見直しさらに充実していこう。

東西南北4ブロック推薦による役員体制も二期目となり、活動内容も試行錯誤を重ねる中で充実して来ています。ブロック単位のリーダー養成講座や会員の声を聞く会、高齢聴覚障害者サロンなどの取り組みで各ブロックの活動をさらに活性化させ、ひいては地域協会の繋がりを強化することで、地域格差是正や会員拡大に結びつく運動を展開していきます。ブロック体制が機能し、ブロック選出役員が活発に取り組むことが連盟の発展につながることが期待できます。
また、手話通訳組織や手話サークルと協働しながら日本聴力障害新聞や季刊M IMIの読者拡大運動、全国手話研修センター後援会会員拡大などの取り組みを展開していきます。
公益法人としての当連盟と自立支援センターの体制見直しが進められており、連盟財政健全化のための取り組み始まりました。あわせて連盟事務局長の後継者育成も役員学習会を開催するなど具体的に進めています。しかしすぐ引き継ぐことは困難ですので、段階的な引き継ぎなど具体的なプラン進める中で、より充実した事務局体制を構築していきます。
職員だけでなく役員の健康管理や生活の質向上も重要課題となっていますので、役員も含めた福利厚生や健康維持のための体制整備を進め、そういう取り組み中で若者や女性も就任しやすい役員体制を模索していきます。
インターネットを利用した情報のやりとりは、もはや当たり前でありクラウドなどを活用した連盟と区市によるグローバル(広範囲)な相互ネットワークの構築を進めているところです。そのためにはより強固なサーバーへの移行や、新しいドメインへの移行と活用を進めていかねばなりません。FAXによる通信からメールによる通信や、ホームページによる情報提供への移行はほぼ完了に近づいています。情報格差が起きないように配慮しながら完全移行の最終仕上げにとりかかります。

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