なぜコミュニケーション支援事業は無料にすべきなのでしょうか?

それは以下の3つの理由によるものです。

①基本的な権利で社会参加に必要不可欠なことに当事者負担はおかしい

 昨年12月に国連で制定されて各国で批准が進んでいる「障害者の権利条約」の中では、『手話は言語である』と記されています。人間が社会生活を営むためには、この「言語=言葉」は必要不可欠なものです。
 みなさんが、会話するときにお金を支払いますか?私たちは、皆さんと同じように自由に会話したいのです。私たちにとって、コミュニケーションは生きていくために必要な権利であり、社会参加のために最低限必要なことです。
 私たちの基本的な権利を奪い取られることにつながるので、手話通訳や要約筆記の利用料を一部といえ支払うことは容認できません。だからこそ、支援費制度がスタートしたときも、手話通訳や要約筆記の利用料については、無料ということを貫き、政府もそれを認めたわけです。

②福祉サービスの低下に直結

 今まで無料だった事業が自立支援法になったからといって、一律に有料化することは問題です。厚生労働省も東京都福祉保健局も「従来通りのサービスを継続」と言っており、これは「今までは無料だったサービスは引き続き無料が望ましい」という意味だと、厚生労働省も都福祉保健局も説明しています。
 現在、手話通訳や要約筆記の利用料は無料です。これを有料化することは、明らかに現状維持とはならず、サービスの低下となります。支援費制度下で無料だった手話通訳や要約筆記に、当事者負担を導入することを認めることはできません。

③コミュニケーションは相互利益

 手話通訳や要約筆記を利用するのは、聴覚障害者だけではありません。病院では、説明責任が生じる医師の側のほうが利用者とされるべきと考えます。また、講演会等でも、聞こえる参加者のためにはマイク等の拡声設備を準備します。同様に聞こえない参加者のためにも同様の配慮をすべきですから、講演会主催者こそ利用者とされるべきと考えます。コミュニケーションは聴覚障害者自身だけがニーズを持っているのではなく、一般の多くの人が聴覚障害者とコミュニケーションニーズを持っているのです。つまり、コミュニケーションは社会全体で負担すべきものなのです。

ですから、手話通訳や要約筆記は無料とすべきと私たちは考えます。

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