聴覚障害者関連政策アンケートとその回答(2022年7月参議院選直前実施)

7月10日投票予定の参議院議員選挙を前に、聴覚障害者制度改革推進東京本部として、各政党・立候補予定者に対して、聴覚障害者の福祉施策や情報・コミュニケーション支援についてお尋ねするアンケートを実施しました。

以下に各政党・各立候補予定者にお送りした依頼文、アンケート本文、各党からの回答を掲載します。

掲載順は到着順です。回答がなかったところは(未回答)としています。

各党の考え方を理解し、皆様が投票する際の参考としていただければ幸いです。

2022年6月21日

【依頼文】

2022年6月吉日

東京都議会○○党
参議院選挙東京選挙区立候補者 殿

聴覚障害者制度改革推進東京本部
(東京都聴覚障害者福祉対策会議)
会 長  粟 野  達 人

 

参議院議員選挙立候補予定者・政党に対する聴覚障害者関連政策アンケートのお願いについて

 

私たち「聴覚障害者制度改革推進東京本部」は、東京都内の聴覚障害当事者とその支援者の7団体によって構成し、聴覚障害者福祉にかかわる施策をより良いものにするべく活動しております。

さて、7月25日任期満了の参議院議員について、7月10日投開票と予想されています。選挙を前に、当本部では各候補者所属政党のみなさまに聴覚障害者に対する政見に関するアンケートを実施することにいたしました。

聞こえる人は、テレビ報道や街頭演説等で立候補予定者の政策や考えを知ることができますが、手話通訳や文字情報の付与が不十分なため、参政権の行使ができません。

聴覚障害者のおかれている状況をご理解いただき、私たちの関心が高いテーマについてお考えを伺う下記のアンケートへのご協力をお願いいたします。

ご回答結果(無回答も含め)は告示前に当本部構成団体のホームページ上に掲載させていただきます。告示を間近に控えご多忙のおりとは存じますがどうぞよろしくお願い致します。

【アンケート本文】

第26回参議院議員通常選挙立候補予定者・政党に対する聴覚障害者関連政策アンケート

【質問事項】

1 情報・コミュニケーション条例、手話言語条例制定について

私たちは障害者権利条約の理念をもとに、障害者施策に当事者が直接参画できる体制の確立、聴覚障害者においては、情報アクセスとコミュニケーションの権利保障、言語としての手話普及等を実現するため、情報・コミュニケーション法、手話言語法等の法整備を推進し、東京都および区市町村における条例化を求めているところです。

国においては「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法案」が衆参院で可決され、5月25日に施行され、東京都でも手話言語条例が6月15日に制定されました。

同法が制定されたことや「手話言語法」の制定について、また東京都手話言語条例が制定されたことや「東京都情報コミュニケーション条例(仮称)」制定について、貴殿はどのようなご見解をお持ちですか。

2 新型コロナウイルス感染問題を含めた、災害時の聴覚障害者への情報提供について

災害時やコロナ禍での緊急事態宣言発出で、政府や都知事会見などのテレビ放送やネット動画が増えてきました。これらの多くは住民の安全に関わる重要な情報ですが、音声による情報提供は、字幕がないと聞こえにくい者にはわかりにくく、適切な行動をとることができません。

また、手話言語が第一言語の聴覚障害者の場合は、文字やテレビ字幕による情報入手も困難です。

今般、都知事の記者会見ライブ放送、動画の手話、字幕付与が増加していますが、災害時にも同様に手話・字幕付与が必要であり、当事者がこれまで強く求めてきたところです。一方、医療の受診時に手話通訳者、要約筆記者の感染防止のために遠隔通訳が検討されていますが、遠隔通訳は限定的な方法であり、災害時や通訳者の安全が確保できない場合に限定されるべきと考えております。一般の医療受診に対応できるよう通訳者の処遇改善による確保が不可欠です。

聴覚障害者への災害支援・コロナ対応上、手話通訳と文字による情報保障は不可欠ですが、貴殿はどのようなご見解をお持ちですか。

3 東京都の意思疎通支援事業実施について

東京都は、障害者自立支援法施行以後、手話通訳者派遣事業や要約筆記者派遣事業を段階的に廃止し、都民である聴覚障害者を支援する情報保障の制度が後退してしまいました。区市町村主体の派遣制度はありますが、都内の町村では事業実施は自治体の裁量となっており、事業を実施していない自治体もあり、派遣要綱や受け付け方法・条件等も地域によってまちまちですので、地域格差がかなりあります。

平成25年4月に施行された障害者総合支援法で、東京都は広域行事型派遣事業を実施することになり、東京都が広域性・公益性があると判断した一部の会合で派遣制度が復活しています。ですがこの制度でも東京都全域を対象とした会議、行事でないと認められず、社団法人やN P O法人内部の行事や会合などは公益性があると認められないことから、都内の多様な聴覚障害者のグループの活動に情報保障が用意できない状況となっております。

また、聴覚障害者個人の緊急性や専門性に対応した派遣、事業を実施していない区市町村を補完する派遣は東京都の事業としての実施が必要です。

貴殿は、東京都の必須事業として定められた手話通訳者・要約筆記者派遣事業を、より聴覚障害者のニーズの求めに応じ、専門性や緊急性等、区市町村の事業を補完するための意思疎通支援事業を充実させる考えがありますか。

4 選挙時の情報保障について

聴覚障害者の参政権は、十分保障されているとはいえません。現行の公職選挙法では、街頭演説会等に必要な字幕や手話通訳、要約筆記といった情報保障手段は部分的にしか認められていません。聴覚障害ゆえに不公平な状況にあり、基本的人権が奪われています。

このたびの選挙において、個人演説会、選挙公報など貴殿の政見を訴える場面において、手話通訳、字幕、要約筆記、盲ろう者向け通訳・介助等の聴覚障害者・盲ろう者に対する情報保障を実施されますか?

5 FAX及びメールによる選挙運動について

平成25年の法改正でインターネット選挙が認められるようになりました。しかし、聴覚障害のある候補者が電話の代わりにFAXで投票依頼をすること、聴覚障害を持つ有権者がメールやFAXで他の有権者の投票依頼することは現在も認められておりません。(※FAXは印刷した文書図画と同じように見られているようです。)聴覚障害者にとって、FAXやメールは選挙運動におけるアクセシビリティとして大変有効であると考えます。聴覚障害者の選挙運動について、貴殿はどのようなご見解をお持ちですか。

6 その他

聴覚障害者福祉施策について、貴殿が特に取組みたいと考えていることをお聞かせください。

以上の内容について、6月21日(公示日前)必着で下記の連絡先にご回答をお願いいたします。メールでもFAXでも結構です。

連絡先  〒150-0011  渋谷区東1−23−3
東京聴覚障害者自立支援センター
公益社団法人東京聴覚障害者総合支援機構
東京都聴覚障害者連盟内
聴覚障害者制度改革推進東京本部 (東京都聴覚障害者福祉対策会議)

(構成団体)
公益社団法人東京聴覚障害者総合支援機構・東京都聴覚障害者連盟
特定非営利活動法人(認定NPO)東京都中途失聴・難聴者協会
特定非営利活動法人(認定NPO)東京盲ろう者友の会
東京都手話通訳問題研究会
特定非営利活動法人全国要約筆記問題研究会東京支部
東京都手話サークル連絡協議会
東京都要約筆記サークル連絡会

以上

 

 

【公開質問状に対する回答】

※回答はいずれも原文のまま掲載しています。
※以下、回答到着順です。敬称は省略させていただきます。

日本共産党
公明党 竹谷とし子
都民ファーストの会 荒木ちはる
自由民主党
朝日けんたろう
立憲民主党

 

【回答】

●日本共産党

回答1 情報・コミュニケーション条例、手話言語条例制定について

障害者のコミュニケーション手段の自己選択・自己決定を尊重し、社会参加を保障する「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が成立したことは重要な前進だと考えます。この法律に基づき、障害者権利条約の具現化として、情報取得や利用の手段を障害当事者が望む形で保障できるよう、国や地方自治体の予算を確保し、合理的配慮をすすめる必要があります。

また、手話言語法の制定も進める必要があります。手話は独自の文法を持つ言語であり、豊かな文化的内容を持っています。しかし、ろう学校で手話が禁止されるなど、手話が抑圧されてきた歴史があり、現在も手話に関する権利が十分に保障されてはいません。手話を獲得する権利、手話で学ぶ権利、手話を学ぶ権利、手話を使う権利、手話を守る権利の「5つの基本的な権利」を保障するため、手話言語法を制定するべきです。2019年には野党共同で国会に手話言語法案を提出しました。制定のために力をいれて取り組んでいきます。

東京都議会では先日、東京都手話言語条例が成立しました。当事者団体のみなさんが粘り強く求めてきたことが実を結んだ成果です。乳幼児期からの手話の獲得・習得の保障、手話に通じた教員などの確保、手話通訳者の派遣などの拡充を進める重要な条例となりました。この条例の成立を踏まえて、具体的な施策を進めていくことが重要になると考えます。

また、都議会では情報コミュニケーション条例も制定する方向となっています。障害者のみなさまのご意見を幅広く聞き、反映させて実効性のある条例にすることが重要だと考えています。日本共産党として、そのために力を尽くしていきます。

回答2 新型コロナウイルス感染問題を含めた、災害時の聴覚障害者への情報提供について

災害時や感染拡大時の情報提供には手話通訳と字幕を付けることが不可欠です。障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法でも防災に関する情報保障が規定されたところであり、確実に情報提供が行われるようにしていく必要があります。

そのためにも処遇改善が重要です。手話通訳者、要約筆記者の処遇は以前から十分ではなく、新型コロナウイルス感染症への対策でも、障害福祉に携わる職員に慰労金が支給されましたが、手話通訳者、要約筆記者は対象外とされました。こうした対応を改め、聴覚障害者の情報保障を担う専門職にふさわしい待遇に改善するため、全力で取り組んでいきます。

回答3 東京都の意思疎通支援事業実施について

情報保障の地域間格差をなくすことは重要だと考えます。

東京都が広域性・公益性を理由に派遣の範囲を狭く限定している現状は改めさせる必要があります。障害者が障害者でない者と同じように意思疎通をできるようにするという考え方を基本に、幅広く利用できる制度とするべきです。

また、個人に対する緊急性や専門性が求められる場合の派遣や、事業を実施していない区市町村を補完する派遣も行うべきです。

そのためにも、国が自治体での取り組みを向上させるために積極的な役割を果たすべきだと考えます。

回答4 選挙時の情報保障について

障害者が障害のない人と同じように選挙に関する情報にアクセスできるようにすることは、参政権を保障する上で重要なことです。

日本共産党は、手話や字幕をすべての政見放送で行います。また、演説会で手話通訳や盲ろう者向け通訳・介助、音声ループの活用、作成する動画に字幕をつける、などの取り組みを、出来る限り行います。

選挙公報について、日本共産党は今年3月30日の参院政治倫理・選挙特別委員会で、視覚障害者に適した媒体で公報を配布できる人的体制や予算の確保を求めました。国は、選挙公報全文を内容とした点字、音声、拡大文字による「選挙のお知らせ版」を発行するよう都道府県選挙管理委員会に要請する「通知」を出しており、昨年の総選挙では、全都道府県で選挙公報の点字版、音声版が作成され、拡大文字版の作成もひろがっています。総務大臣は「必要な財政措置を行う」と答弁しており、引き続き施策が拡充されるよう求めていきます。

回答5 FAX及びメールによる選挙運動について

FAXやメールでの投票依頼が制限されていることは、聴覚障害者にとってとりわけバリアとなっており、参政権が侵害されています。そもそも選挙運動は自由であるべきであり、公職選挙法の「文書活動の規制」を撤廃し、FAXやメールの利用などを自由にするべきだと考えています。

回答6 その他

軽度・中等度の難聴者への補聴器購入費に対する公費助成の実現に取り組みます。日本では公費助成の対象者が重度の難聴者に限られているため、難聴者の補聴器利用率は欧米諸国と比べて非常に低くなっています。より幅広く助成を行うことで、難聴者の聞こえへの支援を強化します。

また、新型コロナウイルス感染症がいまだ収束しない中、PCR検査の実施が引き続き重要です。手話通訳者、要約筆記者や派遣事業所に対するPCR検査実施への助成を行います。

 

●公明党 竹谷とし子

回答1 情報・コミュニケーション条例、手話言語条例制定について

すべての方々が差別を受けたり、社会的な困難を抱えることなく、安心して生活し、社会参加ができるよう、国や地方自治体はきめ細かな取り組みを進めていく必要があり、併せて情報保障への理解の和が大きく広がっていくことが強く望まれます。

必要な情報へのアクセスやコミュニケーションを保障していくことは社会生活を営んでいく上だけでなく、災害などの緊急時における取組としても極めて重要であり、その中で手話や文字情報などは聴覚障害者の方々にとって不可欠になっています。

この5月、国において超党派の議員連盟が当事者団体からヒアリングしてまとめた「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が制定され、また、この6月には東京都において超党派の議員提案による手話言語条例が制定されました。こうした動きは障害のある方々への情報保障の取り組みがさらに進んでいく大きな契機になっていると考えます。

特に手話については、手や指の動作だけでなく、目や口や表情も使って感情を表していく視覚言語であり、音声言語とは異なる文法体系を持った独自の言語・文化であることをさらに多くの人への認識・理解につなげていくべきです。

今後、情報アクセスやコミュニケーションについてさまざまな困難を抱えている方々の情報保障を幅広く進めていくため、必要な取り組みを進めていきたいと考えます。

回答2 新型コロナウイルス感染問題を含めた、災害時の聴覚障害者への情報提供について

聴覚障害者の方々にとって、手話や文字情報(動画や音声情報への字幕の付与等)は日常生活だけでなく、災害時に迅速・的確な行動をとる上でも極めて重要です。字幕について公明党は、例えば日本映画でも出演者の了解なしに字幕を付与できるよう、著作権法の改正なども進め、東日本大震災の時には避難生活を余儀なくされた聴覚障害者の方々を招いて字幕付きの日本映画の上映会を推進するなど、情報保障の重要性をアピールしてきました。

新型コロナなど災害級の感染拡大や、自然災害に遭遇した際、聴覚障害者の方々が必要な情報を迅速に得ることができ、十分なコミュニケーションが可能になるよう、手話通訳者の確保や処遇の改善、IT機器も積極的に利用した文字情報の活用など、利用する聴覚障害者の状況にあわせてさまざまな選択が可能になるよう取り組んでいくべきと考えます。

回答3 東京都の意思疎通支援事業実施について

福祉関連の施策に限りませんが、さまざまな事業において区市町村の状況により事業実施に格差が生まれないようにしていく必要があります。ご指摘の都の事業は、聴覚障害者の方々にとっては重要な支援の事業であり、今後の拡充策について、わが党の都議会公明党議員と連携して取り組んでいきたいと考えます。

回答4 選挙時の情報保障について

公職選挙法における情報保障の手段については、今後さらに検討を重ね、改善を図っていく必要があります。

今回の参院選においては街頭演説会等において、積極的にきめ細かな情報伝達に努めていきたいと考えています。

回答5 FAX及びメールによる選挙運動について

インターネット環境の発展に伴い、選挙活動にネットでの情報伝達が可能になったことは、文字情報や音声情報などに頼らざるを得ない有権者にとっても、前進だと考えます。

メールやFAXについては選挙運動の公平性を踏まえて活用方策を今後さらに検討していくべきと考えます。

回答6 その他

聴覚障害者への福祉施策の取り組みが大きく進むきっかけにもなるデフリンピックの東京開催を進めていきたいと考えています。

また、今後とも聴覚障害者の皆様のご意見・ご要望をしっかりと受け止めながら、施策の実現に取り組んでいく決意です。

都民ファーストの会 荒木ちはる

回答1 情報・コミュニケーション条例、手話言語条例制定について

議員提案により成立した「東京都手話言語条例」に関し、都民ファーストの会東京都議団は早期からその成立に向けて都議会での議論・検討をリードしてきました。その結果、会派・党派を超えた議論を通じて条例制定を達成できたのは大きな前進と捉えています。

例えば、都条例には、私たちが提案し「乳幼児期からの切れ目のない」手話の環境整備が盛り込まれましたが、これは国において聴覚障害の乳幼児支援について検討段階にある中で、国に先んじて明記できた内容となっています。

都政においては引き続き、情報コミュニケーションの推進に関する条例・施策の展開を進め、国政の場においても同様の取組を強力に推進してきます。

回答2 新型コロナウイルス感染問題を含めた、災害時の聴覚障害者への情報提供について

災害時・コロナ対応における聴覚障害者の方々への情報保障のあり方は極めて重要な政策課題です。これまでも、コロナ関連情報の提供時の配慮等を推進してきましたが、遠隔手話通訳や電話リレーサービスなど聴覚障害者の方々への意思疎通に関する新たな支援の強化も都に要望しています。

また、新たに成立した「東京都手話言語条例」には、災害その他非常事態における、手話を必要とする方への必要な措置に関する都の責務が明記されており、今後も様々な観点から情報コミュニケーションの強化を強く求めて参ります。

回答3 東京都の意思疎通支援事業実施について

広域自治体と基礎自治体の担当業務の差異はありますが、聴覚障害者の方一人ひとりの情報保障の確保の観点から、国・東京都・基礎自治体のそれぞれの役割を再度整理し、手話通訳者・要約筆記者派遣の強化に必要な支援を強化することが極めて重要と考えます。

回答4 選挙時の情報保障について

都民ファーストの会は、これまで各級選挙において聴覚障害者の方々への情報提供の強化に取り組んでおり、引き続きその強化に取り組んで参ります。

回答5 FAX及びメールによる選挙運動について

聴覚障害者の方による選挙運動の機会の確保は極めて重要な課題であり、一定の不正防止策とあわせて、電話等による運動と実質的に同等と言える手法の確保が重要と考えます。

回答6 その他

上記1でも述べた通り、私自身これまでも都議会の場で質疑するとともに、知事にも直接要望を行ってまいりました。引き続き、情報コミュニケーション強化について全力で取り組んでいくとともに、国と東京都の適切な連携関係により、デフリンピック東京開催の実現を推進して参ります。

自由民主党

回答1 情報・コミュニケーション条例、手話言語条例制定について

「手話言語法」の制定については、国としても検討していくべきものと考えています。

令和4年第二回都議会定例会において、議員提案による「東京都手話言語条例」が制定されました。この条例が将来にわたり実効性あるものとなり、手話を必要とする方々の意思疎通と、安心できる生活に役立つだけではなく、共生社会の実現に資するものと期待しています。

また、聴覚障害に限らず、様々な障害者への情報保障が社会で求められており、先の通常国会で可決成立した「情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」はこうした声に応えるものです。情報保障につながる条例の制定については、幅広く情報保障を考え、進めていく必要があると考えます。

回答2 新型コロナウイルス感染問題を含めた、災害時の聴覚障害者への情報提供について

聴覚障害者の方々は、「視界外の異変・危険の察知」や「音声による避難誘導等指示の認識」が難しいという困難を抱えており、視覚情報による情報発信や手話通訳等の意思疎通支援を実施することが必要です。

平時から手話通訳者をはじめとする意思疎通支援者の確保、筆談用具等の準備、防災訓練に障害者と支援者等関係者の参加の呼びかけを行うなど、障害の特性に応じた支援体制を構築することが求められます。災害時の要配慮者支援を担う区市町村に対しての支援を実施することも必要です。

また、医療機関に対しても、平時から、障害者差別解消法に基づく国のガイドラインを周知することも重要と考えます。

回答3 東京都の意思疎通支援事業実施について

都道府県と区市町村の役割分担として、地方自治法に区市町村は基礎的な自治体として地域における事務を、都道府県は広域にわたる事務を処理するものとされています。

意思疎通支援事業については、東京都手話言語条例において、手話を必要とするものが意思疎通の支援を受けられるよう、区市町村、関係機関と連携して、手話通訳者、指導者の確保、要請等並びに手話技術及び専門性の向上に努めると明記されており、我が会派としても、その推進に努めてまいります。

回答4 選挙時の情報保障について

聴覚に障害を有する方々への対応については、令和元年の参院選以降、政見放送を行うことができる全ての選挙で手話通訳付与が可能となるなど、制度の改正を進めている。引き続き、選挙時の情報保障に取り組んでいく必要があると考えます。

なお、情報保障については、今後の条例化に向け、都議会、東京都と議論を尽くすとともに、関係団体等のご意見もいただき、進めてまいります。

回答5 FAX及びメールによる選挙運動について

聴覚に障害を有する方々のご要望や、立候補者、有権者のニーズを踏まえ、インターネット選挙等の拡大を検討していきます。

 

朝日けんたろう
回答1 情報・コミュニケーション条例、手話言語条例制定について

先の国会でも「手話言語法」の制定に向けた活動に取り組みましたが、法制化までにはいたりませんでした。手話を必要とする方々の意思疎通と安心できる生活が送れるよう今後も取り組んでいきます。

また、聴覚障害に限らず様々な障害者への情報保障が求められており、早期に環境を整備していかなければなりません。先の国会で成立した「情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」はこうした社会の要請に応えたものです。

回答2 新型コロナウイルス感染問題を含めた、災害時の聴覚障害者への情報提供について

聴覚障害者の方々は、「視覚外の異変・危険の察知」や「音声による避難誘導等指示の標識」が難しいという困難を抱えており、視覚情報による情報発信や手話通訳等の意思疎通支援の実施が非常に重要です。例えば津波フラッグのような情報発信。

また、平時から防災訓練に障害者と支援者等関係者の呼びかけを行い、障害の特性に応じた支援体制の構築を図ることが大切です。

さらに、医療機関に対しても平時から障害者差別解消法に基づく国のガイドラインを周知することも重要と考えます。

回答3 東京都の意思疎通支援事業実施について

東京都の事業に関しましては回答を控えます。行政と関係機関の連携がとても重要と認識しています。

回答4 選挙時の情報保障について

聴覚に障害を有する方々への対応につきましては、令和元年の参院選以降、政見放送を行うすべての選挙で手話通訳付与が可能となるなど制度の改正を進めています。引き続き選挙時の情報保障に取り組んでいく必要があると考えています。

回答5 FAX及びメールによる選挙運動について

聴覚に障害を有する方々のご要望や立候補者、有権者のニーズを踏まえ、インターネット選挙等の拡大を検討すべきと考えます。

立憲民主党
回答1 情報・コミュニケーション条例、手話言語条例制定について

「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」は、旧立憲民主党、旧国民民主党、社民党、共産党が2019年6月に提出した「通称:情報コミュニケーション法案」と同趣旨のものであり、私たち立憲民主党も、本法案の成立に積極的に取り組んできました。
また、本法案の審議に際しても、立憲民主党の衆院議員が、「手話言語法の立法を含め、手話に関する施策の一層の充実の検討を進めること」など5項目から成る付帯決議を提案し、可決されたので、引き続き、手話言語法の制定に向けて、積極的に取り組んでいきたいと思います。
都議会では、立憲民主党の耳の聞こえない当事者都議が、昨年10月の本会議質問で「手話言語条例の制定」を求め、その後、私たちの働きかけなどもあり、超党派による「手話言語条例検討ワーキングチーム」が立ち上がりました。
条例制定を梃子として、手話に関する施策の一層の充実を図るとともに、情報コミュニケーション条例の制定についても、取り組んでいきたいと考えています。

回答2 新型コロナウイルス感染問題を含めた、災害時の聴覚障害者への情報提供について

コロナで、聞こえない方が感染または感染の可能性がある場合、通訳者の安全を確保する観点から、また医療機関における感染拡大リスクを低減する観点から、通訳者が同行できないため、遠隔手話通訳の導入が進みました。遠隔での手話通訳や筆記は、コロナ下ばかりでなく、災害時に交通手段が限られる時や遠隔地、急な時でも手話通訳や筆記者を確保できる可能性が高まるため、活用を進める必要があると考えます。恒久的に予算化していくべきです。
併せて、災害や事故の発生など、緊急の場合、聴覚障害者は逃げ遅れる可能性もあるので、即時性のある情報伝達手段の確保も必要だと考えています。

回答3 東京都の意思疎通支援事業実施について

区市町村によってサービス提供や質に大きなバラツキがでないよう、専門性が高く、緊急時にも利用ができる体制を構築するため、事業の充実が必要であると考えます。
生活に密着したサービスは、基礎自治体に提供すべきであると考えますが、東京都においても、事業を実施しない自治体をカバーすることはもちろん、実施に向けて人の派遣やノウハウの提供など、あらゆる手段を尽くして、すべての基礎的自治体が事業を実施するよう取り組んでいく必要があると考えます。京都の事業に関しましては回答を控えます。行政と関係機関の連携がとても重要と認識しています。

回答4 選挙時の情報保障について

6月22日の選挙公示日の「第一声」では、手話通訳者を手配済みです。今回の参議院選挙において個人演説会を開催するかどうかは未定ですが、少なくとも、選挙公報をはじめ、節目節目で政見を訴える場面においては、必ず手話通訳者を配置することとしています。
その他、オンライン配信に際しても、手話や字幕等による情報保障を実施するとともに、要約筆記などの情報保障についても、できうる限り対応をしていく考えです。
選挙公報については、文字にて政策を訴える貴重なツールとして、聴覚障害のある方も含め、すべての有権者にもれなく届くようにすべきです。

回答5 FAX及びメールによる選挙運動について

聴覚に障害のある方にとって、電話等の音声による呼びかけの代替手段として、FAXやメール等の文字による呼びかけを認めることは、必要なことです。
一方、選挙期間中においては、候補者の印刷物(選挙ビラ)の配布枚数にも厳しい制限があり、一般有権者によるメールでの選挙運動が認められていないこともあり、線引きをどうするのかなど、課題もあります。
しかし、私たちは、こうした課題を乗り越えて、FAXやメール等による呼びかけも可能とするなど、誰もが等しく政治参画ができる社会の実現に取り組んでいきたいと考えています。

回答6 その他

東京都手話言語条例を制定しましたので、今年は特に、手話に関する施策の充実に取り組んでいきたいと考えています。
とりわけ、手話を必要とする子どもに対する切れ目のない学習環境の整備など学校支援に取り組むとともに、多くの都民が手話を知り、手話を学ぶことができる環境づくりに取り組んでいきたいと思います。
併せて、東京都情報・コミュニケーション条例の制定にも取り組んでいきます。
聴覚障害者施策の推進のためにも、デフリンピックの東京開催も、大きな契機になると考えています。

 

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